CBCT画像を用いた個性正常咬合者の三次元上下顎歯の交角度

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抄録

<p>歯の形態的基準軸である歯軸は,口腔模型から求める歯冠歯軸が使われること多い.しかし,上下顎歯を別々に型取りして模型を作成するために,上下顎間の厳密な位置関係について再現することは難しい.そこで我々は,CBCT画像から得られた歯モデルから三次元主成分分析法で決定される歯軸を用いて,上下顎歯の対向する同名歯種間のなす歯軸角度である三次元交角度の検討を行った.さらに,異なる歯種間の交角度の関係について明らかにした.個性正常咬合の成人14名を研究対象としCBCT画像から解剖学的特徴点である上顎の切歯管と下顎の両側オトガイ孔より口腔内に三次元ワールド座標系を設定して,個人ごとの横断面,冠状面および矢状面を定めた.歯根から歯冠までを含んだ三次元歯モデルから主成分分析法を用い,長軸方向である第一主成分を歯軸と定義した.三次元歯軸を三平面に投影し,上下顎歯の対向する歯軸の交角度を求めた.さらに,異なる歯種間の交角度の相関を求めた.上下顎の対向する歯軸の交角度は,全平面において左右に対称となる傾向であった.横断面および矢状面内の交角度は前歯では小さく,第一小臼歯でやや大きくなり,第二小臼歯,第一大臼歯,第二大臼歯では交角度はさらに大きくなる傾向があった.一方,異なる歯種間の交角度の関係は,横断面内の前歯では隣接する歯種間に有意な正の相関があった.また,矢状面においては,多数の歯種間同士で交角度の相関を認めた.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual60 (Abstract), 93_1-93_1, 2022

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857226429439744
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.93_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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