<匠の技>自分史における口唇裂・口蓋裂の治療

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • The Treatment of Cleft Lip and Palate in the Author’s Experience

抄録

筆者が形成外科医としての40年間に経験してきた口唇裂・口蓋裂の治療法の変遷について述べた。 <br>そこから得た結論は,口唇裂・口蓋裂治療は患者の生涯にわたり影響するため,基本的に手術,言語,咬合および歯列矯正など,各分野の専門家からなるチームによる総合的医療として行われるべきだということである。その前提に立ち,筆者が所属した藤田医科大学口唇口蓋裂センターにおいて,形成外科医として担当した口唇裂の手術に関して会得した点は以下のとおりである。 <br>1)初回手術時が最も良い結果を残す機会であるが,その時点ですべて満足する結果を得られないこともある。 <br>2)組織の過剰切除は,後日の修正および追加手術を不可能にする。 <br>3)手術侵襲による瘢痕の存在は,組織の成長を阻害する。 <br>4)著しい瘢痕がない限り,経時的な変化および成長は,往々にしてより望ましい方向に働く。 <br>5)一人の卓越した術者の存在よりも,チームメンバー全員が平均的な結果を得られることが,患者に利することである。 <br>6)手術の手順を明確に示すことが,チームメンバーの技術向上に貢献する。 <br>7)手術結果に対するフォローアップと,真摯な反省に基づく術式の改良は継続的に行うべきである。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857235852222848
  • DOI
    10.11224/cleftpalate.47.194
  • ISSN
    21865701
    03865185
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ