地域在住要介護認定高齢者における身体活動量と睡眠状態の関連

  • 水野 稔基
    大阪行岡医療大学医療学部理学療法学科 大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
  • 井坂 昌明
    大阪行岡医療大学医療学部理学療法学科 大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
  • 倉本 孝雄
    デイサービスくつろぎの里
  • 井ノ上 智美
    リハビリスペース木の香
  • 神出 計
    大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • The relationship between physical activity and sleep status among older adults requiring nursing care in the community
  • チイキ ザイジュウ ヨウカイゴニンテイ コウレイシャ ニ オケル シンタイ カツドウリョウ ト スイミン ジョウタイ ノ カンレン

この論文をさがす

抄録

<p>目的:地域在住要介護認定高齢者を対象に,身体活動量と睡眠状態の関連を検証すること.方法:対象は,通所介護サービスを利用する要支援1~要介護3の認定を受けた65歳以上の高齢者45名(女性33名,平均年齢83.2±4.4歳)とした.身体活動量はLife Space Assessment(以下LSA),睡眠状態はピッツバーグ睡眠質問票(Pittsburg Sleep Quality Index;以下PSQI)より総睡眠時間,睡眠効率,PSQI総合得点を評価し,身体機能はTimed up and go test(以下TUG)と握力を測定した.統計学的分析は,LSAを従属変数とし,相関分析でLSAと有意な相関が認められた睡眠指標(総睡眠時間,睡眠効率,PSQI総合得点)およびTUGを独立変数とし,性別,年齢を調整変数とした重回帰分析(強制投入法)を行った.睡眠指標の内,睡眠時間を投入した分析(モデル1),睡眠効率を投入した分析(モデル2),PSQI総合得点を投入した分析(モデル3)にそれぞれ分けて検証した.統計ソフトはR commanderを使用し,有意水準はすべて5%とした.結果:睡眠時間を投入したモデル1ではTUG(β=-0.375,p<0.01)と睡眠時間(β=0.383,p<0.01),睡眠効率を投入したモデル2ではTUG(β=-0.368,p<0.01)と睡眠効率(β=0.570,p<0.01),PSQI総合得点を投入したモデル3ではTUG(β=-0.392,p<0.01)とPSQI総合得点(β=-0.590,p<0.01)が独立して有意な変数として選択された.結論:要介護認定高齢者の身体活動量はTUGに加え,睡眠時間や睡眠の質などの睡眠状態が関連することが示唆された.身体活動量の改善には身体機能のみならず睡眠の量的・質的な評価も考慮したアプローチが必要と考える.</p>

収録刊行物

参考文献 (29)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ