中小企業のための新製品開発失敗原因分析手順の提案 ― 一つの事例を基に失敗原因を系統的に抽出する方法 ―

書誌事項

タイトル別名
  • Proposal of a Procedure for Small Business to Analyze Causes of New Product Development Failure

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説明

新製品開発を失敗した場合の失敗原因分析には,T型マトリックス,経過反省表などが使用されてきた.しかし,中小企業では,開発の事例が多くないため,これらの方法を使用することが難しい.この論文は,中小企業が新製品開発における失敗原因の分析に取り組む際の難しさのうち,開発の事例が少ないことに焦点を絞り,1 つの開発の事例を深く掘り下げ,再発防止を目指すための原因分析手順を提案した.この手順は,実際に適用した実施フロー(失敗事例に相当),あるべき姿を描いたベンチマークフロー(成功事例に相当),及び組織で通常適用されている通常フロー(一般的事例に相当)を記述した上で,これらのフローを比較し,ギャップとその原因を抽出することにより,失敗原因を明らかにするものである.<BR> 提案した手順をA社の事例に適用し,従来手法の中で,提案する手順と最も性質が近い経過反省表との比較を行なった.結果として,提案した手順は,一つの開発の事例であっても, 複数の事例を用いてそれらの背後にある共通的な原因を見つけ出す場合と同様の効果が得られること,経過反省表に比べて原因および改善策の抽出件数が多く,抽出された原因の深掘りおよび改善策の具体化が容易であることが示された.

収録刊行物

  • 品質

    品質 52 (3), 210-218, 2022-07-15

    一般社団法人 日本品質管理学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857357574021760
  • DOI
    10.20684/quality.52.3_210
  • ISSN
    24321044
    03868230
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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