胃癌胃切除後フォローアップ上部消化管内視鏡検査における2次癌の検出

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タイトル別名
  • Detection of secondary upper gastrointestinal tract cancer during follow-up esophagogastroduodenoscopy after gastrectomy for gastric cancer<sup> 1)</sup>.

抄録

<p>【背景と目的】胃癌に対する胃切除後フォローアップ中の上部消化管内視鏡検査(EGD)は2次性の上部消化管癌の早期発見に寄与していると考えられるが,その重要性に関してはいまだ議論の余地がある.本検討の目的は,胃癌胃切除後フォローアップ中のEGDにおける2次性の上部消化管(咽頭から残胃)癌の検出頻度を検討し,その有用性を明らかにすることである.</p><p>【対象と方法】対象は2008年から2014年の期間に胃癌に対する手術(胃全摘を除く)が施行され,かつ術後5年間のフォローアップ中に少なくとも1回はEGDが施行された1,438症例とした.残胃,咽頭,食道における2次癌の検出頻度を検討し,さらに2次癌の危険因子の抽出を試みた.また,検出された2次癌の臨床病理学的特徴を明らかにし,EGDの施行頻度との関連を検討した.</p><p>【結果】対象症例における術後年度毎のEGD施行回数は0.7回であった.残胃癌および咽頭・食道癌の5年累積発生率は各々2.9%,1.3%であった.残胃癌の危険因子はheavy smoker(Brinkman index≧600,hazard ratio=2.24),噴門側胃切除術(hazard ratio=3.93),初発腫瘍径30mm以上(hazard ratio=3.01)であった.すべての2次癌は根治治療可能であり,うち81%の症例で内視鏡的切除が可能であった.また,定期的にEGDを施行していた症例における内視鏡的切除率は,非定期的EGD症例のそれよりも有意に高率であった(66.7 vs. 31.3%).</p><p>【結論】胃切除後の定期的なフォローアップEGDは根治治療可能な2次癌の発見に有用である.残胃癌の危険因子(heavy smoker,噴門側胃切除術,初発腫瘍径30mm以上)に注目することにより,その有用性はさらに高まると考えられた.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857435062130304
  • DOI
    10.11280/gee.64.2550
  • ISSN
    18845738
    03871207
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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