最近の気候変動予測研究と今後の先端的な気候変動予測に向けて

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タイトル別名
  • Recent Research on Climate Change Projections and On-going program on Advanced Climate Change Projections

抄録

<p>将来の水文・水資源の様相を評価するためには、将来気候変動の予測が必要不可欠である。気候変動予測シミュレーション技術の高度化等による将来予測の不確実性の低減や、気候変動メカニズムの解明に関する研究開発、気候予測データの高精度化等からその利活用までを想定した研究開発を一体的に推進することで、気候変動対策に活用される科学的根拠を創出・提供することを目的とした、文部科学省「気候変動予測先端研究プログラム」が開始された。このプログラムの下、日本域における気候変動予測の高度化を目指して(領域課題3:「日本域における気候変動の高度化」)、1:日本域気候変動の予測システム開発とメカニズム解明、2:極端現象のメカニズム解明による地域・流域に応じた適応策推進に資する気候変動予測情報の創出、3:海外の脆弱地域における高精度気候予測データセットの創出に、我々は取り組んでいる。また、水文・水資源分野を始めとして、多様なユーザーとの対話を通して、気候変動予測の共通認識の醸成を目指している。これらの研究目標の基盤となる研究を、すでに文部科学省「統合的気候モデル高度化研究プログラム」等で実施してきた。その成果の一例として、大気海洋相互作用を表現可能な日本域気候変動予測システム(Time Sequential Experiments with Coupled model; TSE-C)の開発や、近年洪水事例が多発している要因がこれまでの温暖化によるのか、それ以外の要因かを明らかにするイベントアトリビューション研究が挙げられる。気候変動予測の現在地点と今後の計画を紹介し、議論の端緒としたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857445989096832
  • DOI
    10.11520/jshwr.35.0_113
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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