東日本大震災における福島県内避難所におけるDVT予防啓蒙活動および発生状況からの考察

  • 高瀬 信弥
    福島県立医科大学医学部心臓血管外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Consideration from the incidence of deep vein thrombosis and the prevention activities at the shelters in Fukushima under Great East Japan Earthquake

抄録

<p>2011年3月11日に発生した東日本大震災および原子力発電所事故にともなう避難者の深部静脈血栓塞栓症予防啓蒙活動およびその発生状況について調査し考察をした.のべ79カ所の避難所を巡回し,のべ2,217名の避難者に予防指導および血管エコーでの膝下の静脈血栓スクリーニングを施行した.血栓陽性は210名(9.5%)であり内11名(血栓陽性者中5.3%)は地域中核病院へ緊急紹介搬送の処置を有した.肺塞栓症は0名であった.発生要因として年齢,滞在日数,下肢腫脹,長時間坐位が統計学的な有意差をもって検出された.また,避難所の環境評価と静脈血栓発生率には相関を認めた.災害時の避難においては生命のリスク回避が重要である.避難者に静脈血栓は少なからず発症するため,その予防啓発と避難所環境の確保は重要であると考えられた.</p>

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