歯科予防処置演習の一環として行ったシャープニング実習の教育効果の評価

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タイトル別名
  • Evaluation of the educational effects of sharpening practice conducted as part of preventive dental treatment exercises
  • シカ ヨボウ ショチ エンシュウ ノ イッカン ト シテ イッタ シャープニング ジッシュウ ノ キョウイク コウカ ノ ヒョウカ

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抄録

<p>スケーリング・ルートプレーニングは,歯周治療の中でも重要な処置であり,キュレットの刃部の状態は処置内容に大きな影響を及ぼす.そのため,「歯科予防処置」演習の教育効果は,定量的に評価することが重要である.そこで,本演習の一環としてシャープニング実習を行い,学生評価と教員評価をもとに教育効果を検討した.</p><p>対象は,グレーシーキュレットとダルインスツルメントのシャープニングを行った本学口腔保健学科の学生62名である.学生が,グレーシーキュレットをシャープニング後,実習達成度を5段階で自己評価したデータと,学生がダルインスツルメントをシャープニングし,教員が刃部形態の評価をもとに学生の実習到達度を2段階で評価したデータを集計・分析した.その結果,教員が学生の実習到達度を「可」と評価した割合は「砥石と切縁の適切な角度の適合」が65%,「刃部全体の切縁の角度と鋭利度の回復」が44%,「刃部に変形が見られない」は89%であった.学生が実習達成度を「できた」と評価した割合は,「砥石と切縁を適切な角度に適合する」が73%,「刃部の後部から軽く上下のストロークをする」が74%,「刃部後部から先端の切縁に沿って砥石を移動し,切縁を均一に鋭利にする」が71%,「切縁の鋭利度を正確に評価する」は85%と学生の自己評価は高く,目標が達成できたと捉えていた.また,4回の実習で「できた」と回答した学生数は回を重ねる毎に増加し,1回目に比較して4回目が統計学的に有意に上昇した.</p><p>以上の結果から,本演習で行ったシャープニングは,教員評価に学生評価を加えたことで,学生の技術到達度の現状が把握できた.さらに,実習の課題が明確になり,実習改善の方向性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 85 (2), 99-105, 2022-09-25

    大阪歯科学会

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