腹腔鏡下胃亜全摘術が奏功した糖尿病性胃不全麻痺の1例

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  • Ameliorating Gastroparesis-associated Malnutrition in a Patient With Type 1 Diabetes by Laparoscopic Subtotal Gastrectomy

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抄録

<p>症例は65歳女性.約30年の罹病歴があり,自律神経症状を伴う1型糖尿病患者で,1年ほど前に突如として摂食不能なほどの高度の食欲不振や食後の腹痛を自覚するようになった.血液検査や内視鏡,超音波,CT検査などの画像検査による精査を行うも原因特定に至らなかったが,最終的に99mTcスズコロイド標識試験食を用いた胃排出能シンチグラフィーにより糖尿病性胃不全麻痺と診断した.一般的に糖尿病性胃不全麻痺に対しては食事療法や様々な投薬治療が行われるが,自然に増悪と寛解を繰り返すこともある.本症例は様々な内科的加療を試みたが約1年にわたり全く改善せず,栄養欠乏が進行し続けたため,腹腔鏡下胃亜全摘術を行った.外科的治療の奏功により,その後糖尿病性胃不全麻痺の症状は改善し,栄養状態も徐々に改善し,通常の日常生活が可能になった.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 65 (12), 665-671, 2022-12-30

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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