知床国立公園の森林再生地における林冠構造の評価:適応的管理の視点から

DOI Web Site オープンアクセス
  • 鈴木 紅葉
    横浜国立大学大学院 環境情報学府
  • 小林 勇太
    横浜国立大学大学院 環境情報研究院 東京大学 先端科学技術研究センター
  • 高木 健太郎
    北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター
  • 早柏 慎太郎
    北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター
  • 草野 雄二
    公益財団法人 知床財団
  • 松林 良太
    公益財団法人 知床財団
  • 森 章
    横浜国立大学大学院 環境情報研究院 東京大学 先端科学技術研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Assessing forest-canopy structure in restoration areas of Shiretoko National Park, Hokkaido, Japan from an adaptive-management perspective
  • シレトコ コクリツコウエン ノ シンリン サイキジ ニ オケル リンカン コウゾウ ノ ヒョウカ : テキオウテキ カンリ ノ シテン カラ

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抄録

<p>森林の再生は、気候変動や生物多様性の損失などの社会課題に対する有効な手段の一つである。北海道知床国立公園内の森林再生地では、本来の潜在植生である針広混交林の再生を目指した森林再生活動が実施されている。ここでは、科学的知見をもとに合意形成し、管理手法を実践しながら改善する適応的管理のアプローチが取り入れられている。本稿では、この森林再生活動の成果を航空機レーザ測量およびドローン写真測量を用いた林冠構造解析によって評価した。具体的には、植栽地における樹冠高と構造的多様性、代表的な森林タイプにおける 2004年から 2020年までの 16年間の森林成長量を算出した。その結果、在来種の植栽地では他の森林タイプよりも顕著な森林成長が見られたものの、構造的多様性の回復は遅いことがわかった。このことから、活動開始から約 40年が経過しても未だ構造的多様性の回復には至っていないことが示唆された。当地での適応的管理に基づく森林再生活動の内容を紹介し、森林再生のあり方を議論することで、他地域における参考情報を提供したい。</p>

収録刊行物

  • 保全生態学研究

    保全生態学研究 27 (2), 283-, 2022-10-25

    一般社団法人 日本生態学会

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