南大東島のカルスト地形に関する一考察

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タイトル別名
  • A Study of Karst Terrain of Minami-Daito Island, Nansei Islands
  • ミナミダイトウジマ ノ カルスト チケイ ニ カンスル イチ コウサツ

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説明

南大東島は,隆起率のきわめて低い隆起環礁である.島全体が主として第四紀のドロマイト質石灰岩からなり,カルストシステムが発達している.南大東島の地表のカルスト地形や,地下に発達する洞窟系を明らかにし,それをもちいて,最終間氷期以降の古環境を考察した. 海軍棒には,最終間氷期の高海水準時以前に形成されたと推定される石灰岩洞窟が存在する.最終間氷期に開口し,石灰岩の海成礫が堆積した. ポイント7洞窟では,最終氷期最盛期の低海面期に,洞内に錘乳石が形成された.その後の海面上昇にともなって,この洞窟は現地下水面下に水没した.現在の地下水位付近のトックリ型の錘乳石表面にはケイブコーラルが付着する.トックリ型の鍾乳石のもっとも肥大した位置の高度から,完新世高海面期の地下水位が現在よりも高いことが確認された. 海軍棒の海岸から幕上(ハグウエ)にかけて地形断面を作成し,カルスト地形形成の進行とともに土壌化が進行し,植生が変化することが観察された.

収録刊行物

  • 法政地理

    法政地理 36 29-40, 2004-03-24

    法政大学地理学会

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