ポリイオンコンプレックスを使用した,二次付着防止機能を持つ化粧品

  • 菅 友美
    日本ロレアル株式会社 リサーチ&イノベーションセンター
  • 五十島 健史
    日本ロレアル株式会社 リサーチ&イノベーションセンター
  • 河西 毅彦
    日本ロレアル株式会社 リサーチ&イノベーションセンター
  • 白谷 俊史
    日本ロレアル株式会社 リサーチ&イノベーションセンター
  • 高橋 望
    日本ロレアル株式会社 リサーチ&イノベーションセンター
  • 横山 恵美理
    日本ロレアル株式会社 リサーチ&イノベーションセンター
  • ニコラ アレクサンドロ
    日本ロレアル株式会社 リサーチ&イノベーションセンター
  • 浅沼 秀彦
    日本ロレアル株式会社 リサーチ&イノベーションセンター
  • 小池 徹
    日本ロレアル株式会社 リサーチ&イノベーションセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Polyion Complex Technology for Cosmetic Transfer Prevention
  • ポリイオンコンプレックス オ シヨウ シタ,ニジ フチャク ボウシ キノウ オ モツ ケショウヒン

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抄録

<p>日焼け止めやファンデーションなどの日中使用する化粧品は,化粧持ちが強く望まれ,また,マスクなどへの色移りはコロナ禍の以前から消費者が気にするポイントの一つとなっている。ラスティングニーズを解決する技術は様々研究されているが,環境に配慮したアプローチ,すなわち持続可能な素材を使用した解決策はまだ少ない。我々はポリイオンコンプレックスに動的架橋剤を導入したPGP(Polyion complex Gel Particles)という技術を開発し,日焼け止めBBクリームに応用した。調製した処方のin vitroin vivo試験および消費者による使用試験によって,PGP技術は既存の技術と比較して化粧品の使用性を維持しつつ色移り防止効果や日焼け止め効果の持続性を向上させることが確認された。これはPGPが動的架橋の組み換えによって高いカプセル化能及びフィルム形成能を発揮し,顔料や油溶性のUVフィルターを化粧膜中に内包できること,また動的架橋の組み換えを通したPGPの構造変化により化粧膜がセルフリカバリー機能を持つことに起因する。消費者の強いラスティングニーズに対し,環境に配慮したアプローチで解決できるPGPは,カテゴリーを超えて広く応用可能な技術と考えられる。</p>

収録刊行物

  • Oleoscience

    Oleoscience 23 (1), 5-10, 2023

    公益社団法人 日本油化学会

参考文献 (12)*注記

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