脳梗塞によりAnton症候群を呈した事例に対するリハビリテーション

Search this article

Description

Anton症候群とは、皮質盲患者が、盲に対して否認したり、自覚しない状態である。皮質盲に対するAnton症候群の報告は散見されるが、リハビリテーション経過の報告例は稀である。今回、両側後頭葉および右側側頭葉~頭頂葉病変により、皮質盲・Anton症候群を認めた事例を経験した。重度左片麻痺、感覚障害、認知機能低下、感覚性失語、病態失認、身体失認など様々な病態を呈し、不穏状態が著明で介入に難渋した。本症例は、左一次視覚野は保たれているが、両側視覚連合野が損傷されていることにより、資格情報の統合機能が障害され皮質盲を呈したと考える。Anton症状の発現には、辺縁系の障害、身体様式の障害、感覚性失語に対する病態失認、複雑幻視、全般的認知機能低下が複合的に関与していた。皮質盲・Anton症候群の改善には至らなかったが、失った視覚機能を代償した補償戦略を用いることで、精神状態の安定、ADL上の協力動作の獲得に繋がった。

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top