同側腎にフマル酸ヒドラターゼ遺伝⼦⽋損腎細胞癌と低悪性度多房囊胞性腎腫瘍の同時発⽣を認めた1例

書誌事項

タイトル別名
  • IPSILATERAL SYNCHRONOUS FUMARATE HYDRATASE-DEFICIENT RENAL CELL CARCINOMA AND MULTILOCULAR CYSTIC RENAL NEOPLASM OF LOW MALIGNANT POTENTIAL: A CASE REPORT AND LITERATURE REVIEW

抄録

<p>症例は75歳男性.高血圧,慢性腎不全(CKDステージ5)のため近医通院中.腹部超音波検査で左腎腫瘍を指摘され,当科紹介受診.単純CTで,左腎上極に約50mmの複雑性腎囊胞を認めた.単純MRIでは多数の隔壁を伴う囊胞性腫瘤を認めた.隔壁の⼀部に肥厚が疑われ,Bosniak IIFまたはIIIに相当した.腎機能障害があり,腫瘍に対する定期画像検査を⾏いつつ手術時期を検討する⽅針とした.翌年の単純CTで,既知の腫瘍の外側に,⻑径20mmの腎腫瘍を新たに認めた.新規の腫瘍はその後増⼤傾向にあった.⾎液透析導⼊後,腹腔鏡下根治的左腎摘出術を施⾏した.病理所⾒は,上極内側の腫瘍は低悪性度多房囊胞性腎腫瘍であり,外側の腫瘍はフマル酸ヒドラターゼ遺伝⼦⽋損腎細胞癌であった.同側腎に両者の同時発⽣を認める症例はまれであり,⽂献的考察を加えて報告する.</p>

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参考文献 (9)*注記

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