複視を伴うニホンマムシ咬症受傷から約30時間経過した後に乾燥まむしウマ抗毒素を投与した1例

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment with snake antivenom of a patient presenting with diplopia resulting from a snake bite (<i>Gloydius blomhoffii</i>) 30 hours before : A case report
  • フクシ オ トモナウ ニホンマムシコウショウジュショウ カラ ヤク 30ジカン ケイカ シタ アト ニ カンソウマムシ ウマ コウドクソ オ トウヨ シタ 1レイ

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抄録

<p>ニホンマムシ(Gloydius blomhoffii)による咬症受傷翌日に複視症状をきたした症例に乾燥まむしウマ抗毒素(乾燥まむし抗毒素「KMB」®,以下,抗毒素)を投与した1例を経験した。症例は87歳女性,マムシに左第3指を咬まれて受傷した。複視症状が出現したため受傷から約26時間後に医療機関を受診し,約30時間後に抗毒素を投与された。複視症状は軽快し,入院4日目に退院した。マムシ毒に含まれている酵素により出血や壊死をきたすとともに少量ながら含まれる神経毒が外眼筋の運動障害などの眼症状を呈することがある。本症例は眼症状から重症と考え,治療に抗毒素を投与したが,その理由は抗毒素の投与が重症例,かつ蛇毒咬症受傷後早期に投与が望まれるためである。しかしながら受傷に際して毒蛇の認識は困難な場合も多く,受傷後の症状経過から毒蛇咬症が判明することがある。抗毒素投与は投与前に十分な対応を行いつつ血清病発症に注意することで安全な治療が可能となる。</p>

収録刊行物

  • 中毒研究

    中毒研究 35 (4), 307-312, 2022-12-10

    一般社団法人 日本中毒学会

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