ドセタキセルの投与を受けた乳がん患者の浮腫の臨床的特徴に関するスコーピングレビュー

DOI オープンアクセス
  • 今方 裕子
    金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 石川県立看護大学看護学部成人看護学
  • 宮前 奈央
    金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 兵庫医科大学看護学部基盤看護学
  • 須釜 淳子
    藤田医科大学社会実装看護創成研究センター
  • 大江 真琴
    金沢大学医薬保健研究域保健学系

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical features of edema in patients with breast cancer receiving docetaxel: a scoping review

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説明

背景<br> ドセタキセルは、乳がんの抗がん剤治療におけるキードラッグであり、副作用の1つとして浮腫が知られている。乳がん患者の浮腫治療は上肢のリンパ節郭清後に発生するリンパ浮腫に焦点があたっており、ドセタキセルによる浮腫とそのケアに関しては言及されてこなかった。乳がん患者に対するドセタキセル療法による浮腫ケアの確立を目指し、本研究の目的はドセタキセルを投与した乳がん患者の浮腫の臨床的特徴に関するエビデンスを要約することとした。<br>方法<br> 本研究はスコーピングレビューデザインを用いた。検索対象は英語で発行された論文タイトルに限定した。すべての年齢およびすべてのステージの乳がん患者を対象とした論文を選定対象とした。2006年1月から2021年7月の間に発表された論文を対象とし、データベースは、PubMed、CINAHLおよびCochrane Centralを用いた。<br>結果<br> 合計283件の論文がヒットし、最終的に8件の論文がレビュー対象に選定された。浮腫の出現部位はおもに上肢と下肢であった。ドセタキセルの投与終了後3週間で浮腫が出現し、化学療法後6ヵ月で手術の反対側の腕と、下肢の浮腫がドセタキセル投与前のレベルに戻っていた。<br>結論<br> 乳がん患者の上肢の浮腫の要因は、リンパ節郭清とドセタキセルが混在している。したがって、ドセタキセルによる浮腫のマネージメントを確立するためには、リンパ節郭清の影響を受けない下肢浮腫の特徴を明らかにする必要がある。

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