上行結腸癌異時性精索転移の1例

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  • A Case of Metachronous Spermatic Cord Metastasis from Ascending Colon Cancer

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抄録

<p>上行結腸癌術後3年で左精索転移を来した1例を経験したので報告する.症例は75歳の男性で,72歳時に上行結腸癌に対し結腸右半切除術を施行した.最終診断はpStage IIbであり,術後補助化学療法を行い経過観察中であった.術後3年経過時に左鼠径部膨隆を自覚し,CTで左精索腫瘍が疑われた.診断的治療として左高位精巣摘除術を行った.病理診断では管状腺癌を認め,上行結腸癌の精索転移として矛盾しない所見であった.術中所見より局所再発の可能性が危惧されたため局所放射線療法を行い,再発予防のため化学療法を導入した.大腸癌の精索転移は非常にまれであり,予後不良とされる.異時性転移では再発までの期間が比較的長く,無症状であることもあり診断に遅れが生じる可能性もある.悪性腫瘍患者において鼠径部膨隆を認めた際は,まれであるが精索転移の可能性も念頭におき,診療すべきと考える.</p>

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参考文献 (12)*注記

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