上腹部刺創に伴う肝円索内出血に対して腹腔鏡下に止血した1例

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タイトル別名
  • A Case of Successful Laparoscopic Surgery to Control Bleeding in the Round Ligament of the Liver Caused by Upper Abdominal Stab Wounds
  • ジョウ フクブシソウ ニ トモナウ カンエンサクナイシュッケツ ニ タイシテ フククウキョウ カ ニ シケツ シタ 1レイ

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抄録

<p>症例は37歳女性。自宅で夫と口論になり,刃渡り25cmの包丁を自ら上腹部に刺し受傷した。現場ですでに包丁は抜去されており,当院に救急搬送された時点での呼吸循環動態は安定していた。CT検査で肝円索内に血腫および刺創路直下に管腔臓器を認めたため審査腹腔鏡を施行した。明らかな臓器損傷は認めなかったが,肝円索が血腫によって腫脹していたため,肝円索付着部を腹膜に沿って切開したところ,腹壁から静脈性出血を認め,腹腔鏡下に縫合止血した。腹部刺創は開腹手術の適応とされてきたが,現在は保存的加療も選択肢の1つとなり,手術適応について議論の分かれるところである。画像診断の進歩に伴い,診察上腹腔内への貫通を認めるも出血など限局している場合は腹腔鏡下手術を行うことも選択肢の1つと考えられた。</p>

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