胃原発胎児消化管類似癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Gastric Adenocarcinoma with Enteroblastic Differentiation
  • イ ゲンパツ タイジ ショウカカン ルイジガン ノ 1レイ

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抄録

<p>胃原発の胎児消化管類似癌(adenocarcinoma with enteroblastic differentiation)は,胃癌取扱い規約では悪性上皮性腫瘍の特殊型に分類され,稀な疾患である.症例は80歳,男性.胃穹窿部後壁に2型病変および幽門前庭部小彎側に0-II a病変を認め,生検にて2型病変はtub2 > tub1,0-IIa病変はtub1と診断されたため,胃全摘術を施行した.病理組織検査で,2型病変には淡明な胞体を有し免疫染色でSALL4,AFP共に一部陽性となる腺癌細胞が確認され,胎児消化管類似癌:pT3(SS),INFb,Ly1b,V1c,pN1,M0,Stage IIBと診断された.0-IIa病変はtub1,pT1a(M),Ly0,V0であった.S-1による補助化学療法を導入したが,術後4カ月で肝転移が出現し,capecitabine + oxaliplatin療法へ変更した.一旦縮小した肝転移は術後7カ月で再増大し,nab-paclitaxel + ramucirumabへ変更したが,術後14カ月で再増大を認めたためnivolumabへ変更,現在治療継続中である.本疾患は,予後は極めて不良であるが,症例数が少ないため治療方針が定まっておらず,今後の検討が待たれる.</p>

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