インプラント埋入シミュレーション時の,デジタルデータの取り扱いと,デジタルワークフローの臨床的問題点

DOI
  • 小室 暁
    近畿・北陸支部(大阪口腔インプラント研究会)
  • 上杉 聡史
    近畿・北陸支部(大阪口腔インプラント研究会)
  • 飯田 格
    近畿・北陸支部(大阪口腔インプラント研究会)

書誌事項

タイトル別名
  • Management of Digital Data for the Simulation of Dental Implant Placement and Clinical Problems of Digital Workflow

抄録

<p>インプラント埋入に際して,CT画像から得られた顎骨のデジタルデータを,イントラオーラルスキャナや模型スキャナに取り込んだ歯列のデジタルデータと重ね合わせる,シミュレーションソフトが近年多用されている.さらに,シミュレーションソフト内蔵のインプラントのデジタルデータを使用しインプラントの寸法および埋入位置を計画することで,正確なインプラント埋入を可能にしている.</p><p>しかし,これらデジタルデータの原寸に対する精確性を過信すると,安全安心なインプラント治療に問題が生じる可能性がある.</p><p>本稿では,複数のCT(CBCT,MDCT)や,スキャナ,シミュレーションソフトの寸法再現性を検討した.結果,各種デジタルデータは,原寸に対して拡大や縮小することが明らかになった.また,おのおのの寸法変化率に差があるため,重ね合わせデータにも歪みが生じることが示唆された.</p><p>安心なインプラントの診断は,デジタルデータの原寸に対する精度の追求はもとより,それらをいかに調和させるかが重要である.また,デジタルデータの限界を熟知したうえで治療を行う,いわばアナログ的な治療感覚ももち合わせることが,治療上の問題点を回避するうえで重要な視点であると考える.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857899425068800
  • DOI
    10.11237/jsoi.35.283
  • ISSN
    21879117
    09146695
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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