豪雨による傾斜農地の土砂崩壊実態と災害予測マップによる地形的特徴の再現

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  • 平成三〇年七月豪雨による愛媛県宇和島地区を事例に

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説明

平成三〇年七月豪雨における愛媛県宇和島市吉田町付近の土砂崩壊を研究対象地域とし、現地調査による土砂災害の実態把握をおこなった。その結果、研究対象地域における土砂災害のほとんどが樹園地内で発生していたことが明らかとなった。また、表層崩壊、表層土流出、土壌浸食、比較的深い土砂崩壊の四つに分類される土砂災害が確認できた。つぎに、研究対象地の土砂災害地を航空写真判別することで、研究対象地域内に土砂崩壊地の源頭部が二二三六か所あることがわかった。これらの土砂崩壊地の源頭部の地点と地域全体について、QGISの一八の地形解析項目について比較した。その結果、研究対象地域で発生した多くの土砂崩壊の地形的特徴は、傾斜角度三〇度以上の凹凸の少ない斜面で、水が集まりはじめるような地形であることが示唆された。さらに、土砂崩壊地の源頭部をプロットした地図から、尾根線沿ってやや下がった標高に並んで発生する地形的特徴があることが分かった。この地形的特徴を表現しうる災害予測マップを作成するために、GISによる地形解析項目データをもとに、機械学習の一つであるニューラルネットワークを構築した。その結果、適用する地形解析項目数が多いほど正答率の高い災害予測マップを作成することができるが、崩壊地の地形的特徴を再現するためには適切な地形解析項目を選択する必要があることが分かった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390858143389746816
  • DOI
    10.57493/tanada.22.0_2
  • ISSN
    27584364
    24361674
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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