パイプライン処理によるフレーム内分割JPEG圧縮を用いたレースドローン向け低遅延IP映像伝送システムの設計と実装

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Design and Implementation of Low Latency IP Video Transmission System for Racing Drones Using In-frame Segmented JPEG Compression with Pipelined Processing

抄録

近年,ドローンに搭載されているカメラ映像を見ながらパイロットが操縦しコースを周回する時間を競うレースドローンが人気を集めている.レースドローン向けの映像伝送方式はレイテンシが小さいアナログ映像伝送が主流である.しかしアナログ映像伝送は電磁ノイズが画質を劣化させる.一方,従来のデジタルIP映像伝送は高画質だがフレームバッファリングやエンコード処理により遅延が増加するため,レースドローンには使われていない.また,従来のドローン用映像伝送システムは見通し外通信において映像伝送ができなかった.この問題を解決するために,従来手法ではフレーム単位でエンコード処理されていたところ,本手法では8ライン単位でカメラキャプチャ処理,画像補正処理,エンコード処理,IP送信をパイプライン化し,フレームバッファを用いない低遅延なHD映像伝送システムをFPGA上に実装した.既存のドローン向け映像伝送システムのカメラからディスプレイ間の合計遅延を測定し,提案手法と比較を行った.提案手法の合計遅延は30.9 msであり従来のドローン用デジタル映像伝送より100 ms程度遅延を削減し,アナログ映像伝送の27.6 msにより近い遅延で伝送できた.提案手法における各部の遅延内訳を測定した結果,IP映像送信機のレイテンシは1 ms未満でありパイプライン化による低遅延化を確認した.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390858153778255744
  • DOI
    10.14923/transcomj.2022gwp0012
  • ISSN
    18810209
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ