厚労科研 嶋津・田﨑班研究の成果ー臓器提供を見据えた患者評価・管理と術中管理のためのマニュアル

DOI
  • 田﨑 修
    長崎大学病院 高度救命救急センター

抄録

<p>我が国の5類型施設において、特に「脳死判定」以降のドナー評価・管理や摘出手術術中管理について多くの課題があり、体制整備が十分ではないことが指摘されていた。厚労科研嶋津班(令和3年度より田﨑班)において、関係学会等の協力を得て、全国の様々な5類型施設が自立してドナー評価・管理、摘出術術中管理、家族サポートを行うことができるように、臓器提供に関するマニュアルの作成を目指した。</p><p>日本移植学会、日本救急医学会、日本集中治療医学会等の協力のもと、米国集中治療医学会のガイドライン、およびMC医師が使用している「脳死下臓器提供におけるメディカルコンサルタントマニュアル」等を参考に「臓器提供を見据えた患者管理と評価」(第1章)、および「患者管理に関するQ and A」(第2章)を作成した。また、日本麻酔科学会等の協力のもと、術中管理に関するエビデンスの収集とアメリカピッツバーグ大学などとの情報交換を行い、「臓器摘出手術中の呼吸循環管理」(第3章)を作成した。</p><p>新型コロナウイルス感染症の拡大は、研究班の活動だけでなく、臓器移植の実施に大きな影響を与えた。このため、日本移植学会を中心に、「COVID-19後の臓器提供について」(第4章)を作成し追加した。最後に、これまでに学会や厚生労働省の研究班から公表されている資料を参考に、日本救急医学会のメンバーを中心に、「重症患者の家族サポートに関する考え方」をまとめた。</p><p>パブリックコメントに対する修正の後、令和4年3月にマニュアルを全国の5類型施設に送付した。本マニュアルが5類型施設の臓器提供の一助につながれば幸いである。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s185_1-s185_1, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390858153778380544
  • DOI
    10.11386/jst.57.supplement_s185_1
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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