メサドンから他のオピオイドにスイッチすることで,副作用が軽減し職場復帰が可能となった1症例

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  • A case of returning to work by switching from methadone to another opioid

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抄録

<p>メサドンから他の強オピオイドへスイッチし,職場復帰が可能となった症例を経験した.症例は後縦隔原発悪性軟部肉腫の56歳女性で,第3・4胸椎椎体,左側腋窩・胸部・肩甲骨転移と神経浸潤による難治性の神経障害性疼痛が認められた.疼痛緩和のため,メサドンが投与され30 mg/日まで増量したが,十分な痛みの軽減が得られず,眠気・倦怠感の増強と抑うつ傾向を認めた.胸椎椎体病変部へ,薬物療法以外の疼痛治療法である放射線療法を行うことになったため,メサドンを他のオピオイドにスイッチすることを考えた.緩和ケアチームの薬剤師が電話で状態を確認しながら,段階的にオキシコドン徐放錠90 mg/日に置き換えることができた.メサドンは,他の強オピオイド鎮痛剤では十分な鎮痛効果が得られない難治性疼痛に使用されるが,有害事象のために,オピオイドスイッチが必要となることがある.メサドンの薬物動態は個人差が大きく,他のオピオイドへスイッチする際には,個別に注意深く行う必要があり,電話での状態確認は有効であった.また,放射線治療など薬物療法以外の除痛方法の併用も有効であると考えられた.</p>

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