糖尿病ケトアシドーシスを発症し無症候性褐色細胞腫術後にインスリン分泌能の回復を確認し得た1例
書誌事項
- タイトル別名
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- Recovery of the Insulin Secretory Capacity in a Patient With Diabetic Ketoacidosis after Resection of Asymptomatic Pheochromocytoma: A Case Report
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抄録
<p>褐色細胞腫は耐糖能異常を合併することは知られているが,糖尿病ケトーシス/ケトアシドーシス(DK/DKA)を発症することはまれである.今回,副腎偶発腫として経過観察中であった糖尿病症例がDKAを発症し,退院後のシンチグラフィーで褐色細胞腫と診断した1例を経験した.本症例は無症候で高血圧もなく,褐色細胞腫は積極的に疑われなかった.DKA回復後,褐色細胞腫診断前に病態診断のためグルカゴン負荷試験を行い,インスリン依存状態と判明した.しかし腫瘍切除後に再検したところ,インスリン非依存状態に改善していた.過去に副腎偶発腫といえる褐色細胞腫でDKAを発症した症例はSGLT2阻害薬が処方されており,本例も同様であった.CT値の高い副腎腫瘍の症例やSGLT2阻害薬を服用中にDK/DKAを発症した症例では,褐色細胞腫の存在も念頭に置いて各種検査を実施すべきと思われた.</p>
収録刊行物
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- 糖尿病
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糖尿病 66 (2), 151-156, 2023-02-28
一般社団法人 日本糖尿病学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390858209198440320
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- ISSN
- 1881588X
- 0021437X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可