音声改善手術の基本 内転型痙攣性発声障害に対する喉頭形成術

  • 讃岐 徹治
    名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科

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  • オンセイ カイゼン シュジュツ ノ キホン ナイテンガタケイレンセイ ハッセイ ショウガイ ニ タイスル コウトウ ケイセイジュツ

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<p> 甲状軟骨形成術Ⅱ型は, 内転型痙攣性発声障害の症状改善を目的に開発された手術手技である. また声門開大維持に用いる医療材料「チタンブリッジ®」は, 甲状軟骨形成術Ⅱ型専用医療機器として開発され, 2017年12月15日に新規医療機器として薬事承認された. </p><p> 甲状軟骨形成術Ⅱ型の適応は, 自覚的または他覚的に努力性発声や声の途切れを1年以上有する内転型痙攣性発声障害患者で音声障害に対する専門的知識を有する耳鼻咽喉科医または言語聴覚士が音声指導・音声訓練を実施したが無効な患者で, 自覚症状として声の詰まりを主とする. </p><p> 手術のポイントは, 1) 甲状軟骨を正中切開: 軟骨下の内軟骨膜・軟部組織を損傷しないように. 2) 切開縁の剥離 (チタンブリッジ挿入目的) : 前交連部の靱帯付着部は剥離すると声が低くなることがあるので注意する. 前交連付近は気道内腔との距離がほとんどないため, 手術器具で損傷して気道内腔が開放されないように慎重に操作する. 3) 適当なサイズのチタンブリッジ選択: さまざまな開大幅を試す. 患者の苦手とするフレーズで確認する. 4) チタンブリッジの挿入: チタンブリッジの破損につながるため, 曲げ加工は最小限に留める.</p>

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