東西に傾いた一様な海底斜面を持つ海盆における深層循環の力学 : ヒプソメトリー論と摂動論

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  • Deep Circulation in a Basin with a Zonal Slope : Hypsometry and Perturbation Theory
  • トウザイ ニ カタムイタ イチヨウ ナ カイテイ シャメン オ モツ カイボン

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抄録

二次元拡散型換算重力模型と三次元GFDL型模型という二種類の数値模型を用いて,東西方向に傾いた一様で緩やかな海底斜面をもつ北半球の海盆における深層循環を調べた.東に向かって水深が浅くなるような斜面が存在する場合,海盆東部の内部領域で,北東向きのStommel-Arons型深層循環を弱める「より東向き」の流れが実現された.逆に,西に向かって水深が浅くなるような斜面が存在する場合にはStommel-Arons型深層循環を強める「より北向き」の流れが対応する領域で実現された.この結果は,深層水の流入口が海盆の南西隅にあるか南東隅にあるかによらず,またどちらの数値模型でも同じであった.このことから,海底斜面がありさえすれば低圧性循環が弱まるとするRhines and MacCready流のヒプソメトリー論では,西に向かって水深が浅くなるような斜面の結果をうまく説明できないことが分かる.一方,Masuda and Mizutaによる摂動論の予測は斜面の向きにより循環が変わるとしており,全ての実験結果と一致していた.

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