インフルエンザの診断と治療 最新のWHOガイドラインから

DOI Web Site 参考文献8件 オープンアクセス
  • 菅谷 憲夫
    WHOインフルエンザガイドライン委員(Guideline Development Group) 慶應義塾大学医学部 神奈川県警友会けいゆう病院

書誌事項

タイトル別名
  • Influenza Diagnosis and Treatment According to the Latest WHO Guidelines

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説明

<p>2022年3月,WHOから,新たなインフルエンザ治療ガイドライン,Guidelines for the clinical management of severe illness from influenza virus infectionsが発表された.ガイドラインは,欧米のインフルエンザに対する考え方を反映し,リスクのない健常人のインフルエンザ治療は対象としていない.インフルエンザ患者を,リスクを有する患者群とリスクのない患者群に分けて,リスク群には,全例に早期のオセルタミビル投与を推奨した.インフルエンザ検査として,感度,特異度の最も高い,Reverse Transcription Polymerase-chain-reaction(RT-PCR)検査のみを認め,RT-PCRができない環境では,検査をせず,ただちにオセルタミビルの投与開始を勧奨した.本ガイドラインでは,日本で広く使用されている吸入ラニナミビルと静注ペラミビルは,重症患者,ハイリスク患者の治療には「使用しない」ことが勧告された.また,ステロイド,受動免疫,マクロライドなどの補助的治療は全て実施すべきではないとされた.WHOガイドラインは,日本の実情にそぐわない面も多いが,各国のインフルエンザ対策に大きな影響を与えるものである.</p>

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 97 (2), 42-46, 2023-03-20

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (8)*注記

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