木の実類アレルギー

  • 杉浦 至郎
    あいち小児保健医療総合センター免疫アレルギーセンターアレルギー科

書誌事項

タイトル別名
  • Tree nuts allergy

抄録

<p>2020年に行われた全国調査では「何らかの食物を摂取後60分以内に症状が出現し,かつ医療機関を受診したもの」の原因食品として木の実類は第3位,同年の愛知県のアナフィラキシー症例全数調査では15歳未満の原因食品として木の実類は第1位の頻度であり,いずれも経年的に増加傾向が明らかである.木の実類の中ではクルミ,カシューナッツ,アーモンド,マカダミアナッツの順に頻度が高い.木の実類アレルギーの診断に関してはコンポーネント特異的IgE抗体価の有用性が多く報告されている.特に2Sアルブミンに属するコンポーネントは診断性能が高く,クルミのJug r 1及びカシューナッツのAna o 3は保険適用となっている.その95%以上がアレルギー症状を示すと考えられるカットオフ値はJug r 1で0.98UA/mL,Ana o 3で2.20UA/mLと報告されている.またアーモンドの11Sグロブリンやマカダミアナッツの7Sグロブリンに対する特異的IgE抗体価もその診断有用性が報告されている.木の実類アレルギーの治療として経口免疫療法の有効性が報告されている.</p>

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参考文献 (15)*注記

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