口底に発生した孤立性線維腫瘍の1例

  • 福澤 智
    筑波大学医学医療系顎口腔外科学
  • 山縣 憲司
    筑波大学医学医療系顎口腔外科学
  • 寺田 和浩
    筑波大学医学医療系顎口腔外科学 筑波メディカルセンター病院歯科口腔外科
  • 内田 文彦
    筑波大学医学医療系顎口腔外科学
  • 菅野 直美
    筑波大学医学医療系顎口腔外科学
  • 柳川 徹
    筑波大学医学医療系顎口腔外科学 茨城県立中央病院歯科口腔外科
  • 武川 寛樹
    筑波大学医学医療系顎口腔外科学

書誌事項

タイトル別名
  • A case of a solitary fibrous tumor in the floor of mouth

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抄録

孤立性線維性腫瘍(Solitary fibrous tumor:SFT)は全身のあらゆる臓器に発生する未分化間葉系腫瘍として近年報告数が増加している。顎口腔領域では頰粘膜や舌などに好発するが口底に生じたSFTの報告は少ない。われわれは口底に生じたSFTの1例を経験したのでその概要について報告する。 <br>患者は40歳男性で2021年4月に口底部の腫脹を認め当科へ紹介受診された。臨床所見として口底部に表面性状は正常で,無痛性の20mm大の腫瘤を認めた。MRI所見ではT1強調像で低信号,T2強調像では高信号と低信号が混在していた。全身麻酔下に舌下腺摘出および腫瘍摘出術を施行した。 <br>病理組織は,腫瘍では豊富な膠原線維を認め,短紡錘形の腫瘍細胞像や牡鹿の角様の不整血管を多数認め,一部腫瘍と腺組織が混在していた。免疫組織化学的所見でCD34,STAT6が陽性でありSFTと診断した。術後1年4か月が経過したが原発に再発を認めず,全身への転移もなく経過良好である。

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参考文献 (26)*注記

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