本態性血小板血症が潜在し診断に難渋した脾臓の結節状髄外造血の1例

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  • A Case of Nodular Extramedullary Hematopoiesis of the Spleen with Latent Essential Thrombocythemia That Was Difficult to Diagnose

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抄録

<p>症例は72歳の男性で,検診で脾腫および脾臓内腫瘤を指摘された.過誤腫,炎症性偽腫瘍,悪性リンパ腫,sclerosing angiomatoid nodular transformation(SANT)が考えられたが,悪性疾患を除外できず,腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した.術後に血小板増多および偽性高カリウム血症を呈した.後にJAK2-V617F遺伝子変異を伴う本態性血小板血症,骨髄線維症と診断された.病理組織検査では,限局性結節状髄外造血と診断された.髄外造血はいくつかの血液疾患に続発し,全身に造血腫瘤として現れることもあるが,脾臓限局性に結節状の腫瘤を形成することはまれである.血液疾患の既往のない患者において,髄外造血を鑑別に挙げ診断するのは非常に困難であるが,脾臓の限局性結節状腫瘤の鑑別には血液疾患の潜在や髄外造血も念頭におき治療戦略を決定する必要がある.</p>

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参考文献 (18)*注記

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