燃え尽き症候群 (バーンアウト) に関する保育職と介護職の比較

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of burnout syndrome between childcare workers and nursing care workers

抄録

本研究の目的は, 燃え尽き症候群 (バーンアウト) には3症状 (情緒的消耗・達成感低下・脱人格化) あることを確認した後, その3症状の生起が保育職と介護職で異なるのか明らかにすることであった. そこで保育士48人および介護士29人を対象に, バーンアウトおよび利用者ケアの困難さ, 保護者との連携の困難さ, 動機づけ要因に関して質問紙法調査を行った. その結果, バーンアウトの3症状はそれぞれ独立した症状として抽出され, 3症状のうち脱人格化は保育職の方が介護職より低い値を示した. さらに, ストレッサーとなる利用者ケアが困難なほど, また保育者との連携が難しいほど, 保育職では情緒的消耗感が高いこと, 介護職では脱人格化が高いことが見出された. その他, 重要だから働くという動機づけが高いほど, 保育職では情緒的消耗感が高く, 介護職では達成感低下が抑制されることが見出された. これらの結果は, 同じ対人援助職であっても, 職務役割によりバーンアウトに現れる症状が異なる事を示唆していた.

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