披裂部余剰粘膜切除が奏功した学童期発症の喉頭軟弱症例

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タイトル別名
  • A case of school-age onset laryngomalacia successfully treated with a resection of excess arytenoid mucosa
  • ヒレツブ ヨジョウ ネンマク セツジョ ガ ソウコウ シタ ガクドウキ ハッショウ ノ コウトウ ナンジャク ショウレイ

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抄録

<p>喉頭軟弱症は新生児ないし幼児期の吸気性喘鳴の原因として広く知られるが,学童期~青年期での後天性喉頭軟弱症は報告が少ない。今回,われわれは学童期に発症した喉頭軟弱症に対し,外科的治療が奏功した一例を経験した。喉頭内視鏡所見では披裂部型と披裂喉頭蓋ヒダ短縮型の合併型であり,強い吸気時には披裂部余剰粘膜の内陥を認め,喉頭蓋がΩ型に変形した。後天性喉頭軟弱症に対しては保存的治療で改善をみない場合には外科的治療が第1選択である。本症例は披裂部余剰粘膜切除と披裂喉頭蓋ヒダ切離を組み合わせた声門上形成術で症状が改善した。併存症として音声チックがあり,精神科での治療介入も加えられ,術後は喉頭軟弱症の再発を認めずに経過している。学童期発症の喉頭軟弱症は本邦でも報告が非常に少なく,見過ごされている可能性があるが,耳鼻咽喉科医は喘鳴の鑑別疾患として認識し喉頭内視鏡検査で正確に診断し,適切な治療介入が求められる。</p>

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