「喜唾」を目標にして食欲不振と流涎が改善した附子理中湯証の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Anorexia and Drooling Improved by Targeting “Excessive Saliva Secretion” Using Bushirichuto
  • 「 キツバ 」 オ モクヒョウ ニ シテ ショクヨク フシン ト リュウゼン ガ カイゼン シタ ブス リ チュウ トウショウ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は65歳男性。X—3年に食道・胃接合部癌にて手術歴がある。X 年1月より食欲不振となり3月に当院内科に入院した。癒着性小腸閉塞の診断で5月上旬に外科的イレウス解除術を施行したが,症状は改善せず6月中旬より当科併診となった。流涎を「喜唾」と捉え,心下痞鞕,手足の冷えから附子理中湯の煎じ薬を開始した。内服5日目から活気が出現し8日目から唾液量が減少し12日目から味覚と食欲が改善した。経口摂取量が増えたため経管栄養を減量でき,リハビリが進み,ほぼ寝たきりの状態から杖で150m 連続歩行できるようになり,29日目に慢性期病院へ転院となった。体重は当科初診時34.1kg から退院時には39.7kg まで増加した。5ヵ月間続いた食欲不振と流涎を,附子理中湯を用いて短期間で改善することができた。</p>

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