尿路性器癌とHPV感染

  • 川口 昌平
    金沢大学医薬保健研究域医学系集学的治療学(泌尿器科学)
  • 重原 一慶
    金沢大学医薬保健研究域医学系集学的治療学(泌尿器科学)
  • 溝上 敦
    金沢大学医薬保健研究域医学系集学的治療学(泌尿器科学)

書誌事項

タイトル別名
  • Genitourinary cancer and HPV infection
  • ニョウロ セイキガン ト HPV カンセン

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抄録

Human papillomavirus(HPV)は子宮頸癌やその前癌病変を誘発する原因として知られている。HPV感染は性感染症の一つであり、男性におけるHPVの疫学調査では男性も女性と同等のHPV感染率であることが判明している。泌尿器癌のなかでは陰茎癌がHPVと最も強く関連することが報告されている。膀胱癌と前立腺癌に関しては肯定的な報告と否定的な報告が混在しているが、一部の膀胱癌、前立腺癌の発症にはHPV感染が関連している可能性がある。精巣腫瘍とHPV感染との関連については否定的であると考えられているが、近年、精液中のHPVが精子運動率など精子パラメータの悪化に関与しているとの報告が増えており、HPVが男性不妊にも関連している可能性が指摘されている。HPVは性感染症であり、男女共通の健康問題と認識し、男女双方においてHPVワクチン接種率を向上させていくことが重要であると考えられる。

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