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- 椙村 益久
- 藤田医科大学内分泌・代謝・糖尿病内科学
書誌事項
- タイトル別名
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- Diagnosis and Therapy of Lymphocytic Hypophysitis
説明
<p>・リンパ球性下垂体炎(lymphocytic hypophysitis:LH)は,下垂体や視床下部にT細胞及びB細胞からなるリンパ球や形質細胞浸潤が認められる慢性炎症疾患で,自己免疫機序の関与が想定されている.</p><p>・LHの患者は,下垂体前葉機能低下症や中枢性尿崩症とともに,頭痛,視野障害,高プロラクチン血症を呈することが多い.</p><p>・MRI(magnetic resonance imaging)検査で下垂体及び下垂体茎の腫大を認める.</p><p>・ホルモン分泌障害や下垂体腫大等類似の症状を呈する,下垂体腺腫,頭蓋咽頭腫,ジャーミノーマ等の腫瘍性疾患との鑑別が重要であるが,困難な場合が少なくない.</p><p>・LHは,主たる病変部位によって,リンパ球性下垂体前葉炎,リンパ球性漏斗下垂体後葉炎,リンパ球性汎下垂体炎に分類される.</p><p>・リンパ球性漏斗下垂体後葉炎の診断マーカーとして抗ラブフィリン3A抗体が知られてきている.</p><p>・LHによって,下垂体前葉機能低下症,中枢性尿崩症が発症した場合は,重症度によって指定難病として公費の補助を受けることができる.</p><p>・IgG4(immunoglobulin G4)関連下垂体炎,免疫チェックポイント阻害薬関連下垂体炎が知られてきており,病態,診断を理解することが重要である.</p>
収録刊行物
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- 日本内科学会雑誌
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日本内科学会雑誌 111 (4), 830-835, 2022-04-10
一般社団法人 日本内科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390858674102157440
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- ISSN
- 18832083
- 00215384
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可