長期経過後に動脈瘤外へ逸脱したコイルの侵襲により動眼神経麻痺が再発した内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤の1例

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タイトル別名
  • Recurrence of Oculomotor Nerve Palsy due to Coil Extrusion from Previously Embolized Internal Carotid-Posterior Communicating Artery Aneurysm: A Case Report

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説明

<p>動眼神経麻痺で発症した未破裂内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤に対しコイル塞栓術を行い症状が改善したものの,長期経過後に動脈瘤外へ逸脱したコイルによる侵襲により,動眼神経麻痺が再発した症例を経験したため報告する.</p><p>症例は69歳,女性.右動眼神経麻痺を発症し,MRA上右内頚動脈後交通動脈分岐部に脳動脈瘤を認めたため,切迫破裂の診断でコイル塞栓術を行った.術後,右動眼神経麻痺は改善した.術後4年6カ月後に右動眼神経麻痺が再発し,脳血管撮影を行ったところ,動脈瘤のneck部が若干描出され,術直後と比較しコイルループの一部がコイル塊の外側へ逸脱していた.開頭術を行ったところ,コイルの一部が動脈瘤外へ逸脱し動眼神経に食い込んでいる所見を認めた.neck clippingを行ったあと動脈瘤体部をコイルごと切断し動眼神経への圧迫を解除した.術後動眼神経麻痺の改善は認めていない.</p><p>動眼神経麻痺を発症した内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤に対し,コイル塞栓術とクリッピング術のどちらが望ましいかはいまだ議論のさなかにあるが,コイル塞栓術を選択した場合,コイルの瘤外逸脱により動眼神経麻痺が再発する可能性があり,長期的に経過をみていく必要があると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中の外科

    脳卒中の外科 51 (1), 40-44, 2023

    一般社団法人 日本脳卒中の外科学会

参考文献 (8)*注記

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