高等学校「総合的な学習の時間」の題材としてのアマチュア無線

抄録

本論文では、高等学校における「総合的な学習の時間」の題材として、アマチュア無線を取り上げることの提案を行っている。「総合的な学習の時間」は、教科・科目、道徳、特別活動とともに、高等学校における教育を構成する4つの領域の一つである。高等学校学習指導要領(平成21年3月)では、「総合的な学習の時間」の目標を「横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、自己の在あり方生き方を考えることができるようにする」と示し、そのうえで、「総合的な学習の時間」の指導計画の作成および内容の取扱いの配慮事項について記述している。然しかるにアマチュア無線とは、電波法に示されているように、「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究」のために行う活動であり、いわば趣味の範疇に入る。趣味としてのアマチュア無線では、送信機や受信機あるいは空中線(アンテナ)を製作・改良すること、電波の伝わり方(電波伝搬)を研究すること、海外のアマチュア無線局と交信し国際交流を行うこと、競技会に参加すること、QSLカードと呼ばれる交信証を交換すること等々の活動が行われ楽しまれている。また、災害等が発生した場合には「非常通信」の取り扱い等の社会貢献を行った実績も多数報告されている。そこで、アマチュア無線における活動と「総合的な学習の時間」との整合性を検討した結果、アマチュア無線は「総合的な学習の時間」の題材として非常によく整合する可能性があることが分かった。

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