最新の科学技術を活用した総合的学習の教材開発 ー企業や関係諸機関との連携を通してー

抄録

国際調査OECD生徒の学習到達度調査(PISA2015)で日本の学習意欲の低さが指摘される中,教科や総合的な学習の時間の学習の意義を強く感じさせる教材の開発が求められている。世界が最新の科学技術を駆使して持続可能社会の実現に近づけようと日々真剣に積み重ねている努力と成果の一端を中学生に体験させることで,自分達の未来を守り発展させるために教科等の学びの大切さを実感させることも大変重要と考えられる。そこで,本研究では,「最新の科学技術を活用した総合的な学習の時間を通して,生徒の①環境学習に対する関心,②科学技術の発達に対する興味,③環境改善に関するさらなる学習意欲をそれぞれ高めることができる。」という仮説を立て,対象中学校の地域性を生かして企業や関係諸機関を活用した観察,実験の教材開発を行い,総合的な学習の時間でその教材の有効性を検証した。ワークシートの記述とアンケートを中心とした検証結果から,最新の科学技術を活用した観察・実験は,環境学習に対する関心や科学技術の発達に対する興味を高め,さらなる学習意欲を高めることに効果的であることが確認できた。また,開発した技術者や広島県環境県民局職員と交流することにより,キャリア教育とつなげ,環境改善に関するさらなる学習意欲を高めることができた。課題としては,環境学習に対する関心意欲に留まることなく,実践力につなげていくことが必要であると考えられる。

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