NPPV人工呼吸器における吸気立ち上がり時間とフェイスマスクの選択が患者換気状態へ及ぼす影響に関する基礎検討

書誌事項

タイトル別名
  • Base examination about the effect that the inspired gas rise time in the NPPV ventilator and a selection of the face mask give to a patient ventilation state
  • NPPV ジンコウ コキュウキ ニ オケル キュウキ タチアガリ ジカン ト フェイスマスク ノ センタク ガ カンジャ カンキ ジョウタイ エ オヨボス エイキョウ ニ カンスル キソ ケントウ

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説明

非侵襲的陽圧換気(NPPV)における呼吸管理では,設定条件やマスクの選択,マスクフィッティングなどの適切な設定や管理が求められる.本研究ではNPPV人工呼吸器V60における吸気立ち上がり時間(Rise Time)とフェイスマスクの選択に着目し,各設定が患者換気状態へ及ぼす影響について検討した.モデル肺の状態を3パターン, Rise Timeを2パターン,フェイスマスクを3種類用い,吸気努力と換気量,機械的仕事量の3項目について評価した.吸気努力については,全てのフェイスマスク及び設定条件において, Rise Timeは短い(吸気の立ち上がりが早い)方が吸気努力は有意に低下した.また,換気量では各フェイスマスクによって病態変化における換気量の傾向が異なり,単純に比較することが困難であることが示唆された.さらに,機械的仕事量についてはRise Timeが長い方が減少する結果を示した. Rise Timeを長く設定することにより,換気補助効果が増大すると考えられる. Rise Timeを短く設定することで吸気努力への追従性は向上する.また,換気補助効果を機械的仕事量にて考えると, Rise Time設定が短い場合は機械的仕事量が増大し, Rise Time設定が長い場合は機械的仕事量が減少する.このことから,単に換気量だけでは換気補助効果を説明出来ず,機械的仕事量を考慮することで容易に理解できることが示唆された.

収録刊行物

  • 医療工学雑誌

    医療工学雑誌 (15), 1-8, 2021-03-15

    広島国際大学大学院医療・福祉学研究科

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