失行症候との出会い

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  • Encounter with apraxics

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抄録

<p>筆者が神経心理学を学び始めたのは,1990年頃である.この頃MRI(Magnetic Resonance Imaging)やSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)といった画像技術が普及し始め,日常の臨床でも活用できるようになった.それから今日まで,幸いなことに筆者には多くの症候との出会いがあった.そしてこれらの症例やその近縁の方々などから発せられたフレーズが,筆者の記憶に残っている.患者自身の「持てば勘所が戻る」といった言葉,患者の母からの「無意識の動作を忘れる」といった言葉,介護スタッフからの「無理やり持たせると,実は箸を使える」という情報提供,そして本学会優秀論文賞を受賞した際に,故大東祥孝先生から編集後記でいただいた「アリアドネの糸」といった表現が私の頭に浮かんでくる.本稿では,主な失行症候を筆者の視点から概観した.</p>

収録刊行物

  • 神経心理学

    神経心理学 39 (1), 8-16, 2023-03-25

    日本神経心理学会

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