虫垂癌術後に局所再発が疑われた縫合糸膿瘍の1例

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  • Suture Abscess Suggested Local Recurrence after Surgery for Appendiceal Cancer

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抄録

<p>症例は84歳,男性.腹痛で当院を受診し急性虫垂炎の診断で腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.</p><p>術中所見で虫垂穿孔に伴う膿瘍形成を認めた.虫垂癌,tub2,切除断端陽性と診断され,追加切除として腹腔鏡下回盲部切除術(D3)を施行した.最終診断はpT3,N0,M0 StageIIaであった.</p><p>術後1年目のCT検査で吻合部付近の腸間膜に造影効果を伴う23mm大の腫瘤を認め,FDG-PETでも同部位にSUV max:2.6の軽度集積がみられた.虫垂癌の局所再発も否定できず,腸間膜腫瘍切除術,回腸結腸部分切除術を施行した.</p><p>病理検査では絹糸に対する異物反応と膿瘍形成を認め,縫合糸膿瘍と診断された.</p><p>腸間膜血管処理に用いた絹糸が縫合糸膿瘍の原因と考えられた.</p><p>縫合糸膿瘍は局所再発との鑑別が問題になることも多いことに留意する必要がある.</p>

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