-
- 福間 良明
- 立命館大学産業社会学部
書誌事項
- タイトル別名
-
- “Memories on WAR” and Postwar Media Culture
- ──「継承」の欲望への問い
抄録
<p> 毎年8月になると、新聞・テレビをはじめとするマス・メディアでは、「記憶の継承」が多く語られる。こうした言説に共通するのは、存命の体験者が少なくなっていることへの焦燥感である。「いまのうちに体験者に聞き取っておかなければならない」という認識は、広く見られるものである。だが、そこで何が継承されようとしているのだろうか。今日語られているものが、さまざまな忘却を経た「上澄み」のようなものであるとするなら、「継承」こそが「忘却」を再生産させてはいないだろうか。さらに言えば、体験や記憶は、そうやすやすと非体験者が受け入れ、共感できるものだったのか。1960年代には、戦中派世代と下の世代の間の深刻な対立が社会問題になっていた。だとすれば、昨今の調和的な「継承」は、かつての「断絶」の存在を後景化しているのではないか。本稿では、こうした「継承」と「忘却」の力学を考えたい。</p>
収録刊行物
-
- 学術の動向
-
学術の動向 27 (12), 12_10-12_15, 2022-12-01
公益財団法人 日本学術協力財団
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390858861758055808
-
- ISSN
- 18847080
- 13423363
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可