胃癌外科のパラダイムシフトと今後の展望―持続可能な外科診療のために―

  • 小寺 泰弘
    名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Paradigm Shift and Future Perspectives in Gastric Cancer Surgery—Considerations for Sustainability of Surgical Treatment in Japan—
  • イガン ゲカ ノ パラダイムシフト ト コンゴ ノ テンボウ : ジゾク カノウ ナ ゲカ シンリョウ ノ タメニ

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抄録

<p>年齢調整罹患率の低下,内視鏡的切除の適応拡大などにより,外科的治療の適応となる胃癌症例は減少している.一方,欧米では若年者の胃癌が増加しており,胃癌がこのままグローバルに希少癌への道をたどるという保証はまだない.近年の胃癌外科診療の進化をたどると,根治性の観点では術式はほぼ完成した感があり,長期予後のさらなる改善は薬物療法の進歩にかかっていると思われる.また,術式はエビデンスに基づいて簡略化されており,低侵襲手術で合併症無く切除するのが現在の理想である.ロボット支援手術はそれをさらに推進するツールとなると共に,手術の遂行に必要な人員が減ることから十分に普及した暁には外科医不足への一つの対策となり得る.一方,広範囲の胃を切除した場合の胃切除術後障害については,進化した質問票で患者報告型アウトカムを評価した限りにおいて,様々な術式,再建法の工夫をもってしても未解決な課題である.</p>

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参考文献 (39)*注記

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