Sickness behaviorに関わる視索前野の神経細胞集団の同定

DOI
  • 倉内 祐樹
    熊本大学大学院生命科学研究部薬物活性学分野

抄録

感染症時に誘発される発熱,食欲の低下,疲労感,痛覚過敏,気分の落ち込みなどの生理的・精神的な変化はsickness behaviorと呼ばれる.これは末梢組織の免疫細胞から分泌されたサイトカイン類が脳の視床下部領域に作用して誘発される一連の反応で,感染に対する生存戦略システムである.特に発熱は生存に不可欠な生理応答であり,我々の体温は体温中枢である視床下部の視索前野で調節されることは知られているが,sickness behaviorに関わる細胞群は特定されていない.本稿では,感染症時の免疫シグナルを脳内で直接感知するVMPOLPSニューロンを同定した論文を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) McCusker R. H. et al., J. Exp. Biol., 216, 84–98(2013).<br>2) Tan C. L. et al., Cell, 167, 47–59(2016).<br>3) Osterhout J. A. et al., Nature, 606, 937–944(2022).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 59 (5), 436-436, 2023

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390858906233397120
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.59.5_436
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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