デジタルテクノロジーは精神科医療を変えるか

DOI
  • 木下 翔太郎
    慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座
  • 岸本 泰士郎
    慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座

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タイトル別名
  • Will Digital Technology Change Psychiatry?

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抄録

<p>多くの精神疾患は,その診断や重症度評価に有用なバイオマーカーが存在しない.このことは,診断の不一致,治療効果の判定の不分明さ,治験の失敗など,多くの問題につながっている.こうした精神科領域特有の課題解決に向けたアプローチの1つとして,デジタルテクノロジーを活用した症状モニタリング,症状定量技術,あるいは治療技術の開発が世界的に活発化している.また,COVID-19によるパンデミックは世界の精神医療に大きな影響を与えたが,その中で,遠隔医療やAIなどのデジタルヘルスも大きな存在感を示すことになった.このようなデジタルテクノロジーの活用は,精神科医療の形を変え,また新しい可能性を広げている.本稿では,筆者らの研究活動を中心に,デジタルテクノロジーを活用した精神科医療の動向やわが国における展望について論じる.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 63 (3), 208-216, 2023

    一般社団法人 日本心身医学会

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