画質改善処理による乳がん腫瘤影の良悪性鑑別CADの性能向上

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  • Performance Improvement of CAD for Classification Benign and Malignant Shadows of Breast Cancer Masses by Image Quality Improvement Processing

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抄録

<p>日本の乳がん検診において,一次検診に使用される検査方法はマンモグラフィー(MMG)撮影単体法,または視触診との併用法である.MMG撮影において,乳腺が多く脂肪が少ない「高濃度乳房」や乳腺が発達している30代以下の被験者は,撮影画像中に白く写る部分が多くなるため,乳がんか否かの判別が難しくなる.特に乳房腫瘤の判別が難しく,感度・特異度が低くなる傾向にある.もしMMG撮影画像において乳がん腫瘤の良悪性鑑別精度を高めることができれば,より早期の乳がん発見につながると考えられる.そこで本研究では,MMG撮影画像を利用した良悪性鑑別CADの性能向上を目的として,画像の粒状性とコントラストを同時に改善する画質改善処理手法を開発した.その結果,画質改善処理を行っていない検診MMG画像を用いた良悪性鑑別処理の鑑別精度85%に対して,画質改善処理を施した場合は鑑別精度が89%に向上した.また,良悪性鑑別CADにおいて,学習したAIが画像中のどこに着目して判断しているのかについても分析を行った.なお,一般的に検診段階では検診MMG単独もしくは視触診を併用する方法で存在診断を行い,二次精検では診断MMGや超音波検査,MRIを併用し鑑別診断を行うが,本研究では画質改善を行うことにより検診MMGでも鑑別が可能となり,早期に乳がんを発見できる可能性が高まることを提案している.</p>

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