ニカメイガ越冬幼虫における凍結障害回避機構

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タイトル別名
  • Freezing damage avoidance mechanism of overwintering larvae of rice stem borer, Chilo suppressalis Walker.
  • ニカメイガ エットウ ヨウチュウ ニ オケル トウケツ ショウガイ カイヒ キコウ

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抄録

ニカメイガは秋期の日長の短縮に反応して終齢幼虫で休眠に入り,その後の低温により凍結耐性を獲得する.これにより,-25℃の低温にさらされて体液が凍結しても生存することが可能となる.低温順化によりニカメイガ越冬幼虫は体液中にグリセロールを蓄積しており,凍結時にアクアポリンを介して細胞内の水と体液中のグリセロールの速やかな置換を行うことで,凍結耐性をもつ昆虫種であっても致死的となる細胞内凍結を回避している.この凍結障害回避機構は,休眠とその後の低温順化がなければ発現することはなく,グリセロール存在下であっても,非休眠幼虫や低温順化を受けていない休眠幼虫の組織では凍結障害を回避できない.

収録刊行物

  • 低温科学

    低温科学 81 1-9, 2023-03-20

    低温科学第81巻編集委員会

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