左肺全摘術を施行し救命した人工呼吸管理中の肺粘表皮癌の一例

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  • Left pneumonectomy for mucoepidermoid carcinoma associated with respiratory failure requiring mechanical ventilation. A case report

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抄録

<p>63歳女性.胸部X線写真で左無気肺を指摘された.胸部CTで左主気管支に腫瘍性病変を認め,左全無気肺を呈していた.室内気で血中酸素飽和度62%と酸素化不良を認め,人工呼吸管理となった.気管支鏡検査では左主気管支を完全閉塞する隆起性病変を認め,組織生検の結果,肺粘表皮癌と診断した.喀痰からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が検出され,画像診断にて閉塞性肺炎を合併しており,肺温存術式では感染巣遺残による合併症が懸念され,かつ,左主肺動脈閉塞試験にてPaO2/FiO2比が208から420まで改善したことを確認した上で開胸左肺全摘術を施行した.手術後に酸素化能は改善し合併症なく術後24日目に退院した.片側全無気肺を呈し人工呼吸管理を要した肺粘表皮癌に対して左肺全摘術が有効であった.肺動脈閉塞試験による酸素化能改善は肺換気血流不均等の解消によるもので,片肺全摘術適応の妥当性を支持する根拠となりうる.</p>

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