重症骨軟部組織感染症に対する次亜塩素酸の使用経験
Search this article
Abstract
<p>広範囲の殿筋壊死から進展した重症骨軟部組織感染症に対し次亜塩素酸を使用した.症例は55歳男性,交通事故による骨盤骨折と骨盤内臓器の高度の損傷例である.急性失血性ショックに対し経カテーテル動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization: TEA)が行われ,殿筋壊死を合併した.その後仙骨骨髄炎・軟部組織欠損創に多剤耐性緑膿菌感染となり,抗菌剤の経静脈投与を中止し抗菌剤含有ビーズと次亜塩素酸を併用して感染症を制圧した.次亜塩素酸はその強い殺菌効果と安全性を厚生労働省も認めているが医薬品ではない.今回使用した次亜塩素酸(epicsy®)は水素イオン指数(pH)と有効塩酸濃度(ppm)を自由に正確に設定することが可能で,pH5.5~6/200ppmの微酸性で殺菌作用,pH7.5周辺の弱アルカリで洗浄作用があり,医薬品ではないが感染治療の補助として有益な可能性がある.</p>
Journal
-
- Orthopedics & Traumatology
-
Orthopedics & Traumatology 72 (1), 106-111, 2023-03-25
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
- Tweet
Details 詳細情報について
-
- CRID
- 1390859073051672704
-
- ISSN
- 13494333
- 00371033
-
- Text Lang
- ja
-
- Data Source
-
- JaLC
- Crossref
-
- Abstract License Flag
- Disallowed